お父さんとお母さんのための日本語教室(2015年度にて終了)

日本語教室・総括

 2016年度から外国人の大人支援としての日本語教室は、役割を終了し、すたんどばいみーの事業として新たな一歩を踏み出しました。Ed.ベンチャーとしての事業としては2015年度をもって終了となりますので、これまでの取り組みについて以下のように振り返り、総括としたいと思います。

 日本語教室の当初の目的は、外国籍の子どもたちの保護者支援として設けられました。子どもたちが学校生活で日本語を習得していく一方、親たちは多忙な生活の中で言葉を覚えていくゆとりのないまま、日本語は覚えていくが、母国語を習得できない子どもたちとの意思の疎通を心配しての事業で、当初の名称も「お父さんとお母さんのための日本語教室」でした。対象が主にベトナム人・カンボジア人であることを想定して、男性と女性を分けて、お父さんの教室は仕事の関係から水曜日の夜に、お母さんの教室は日曜日の午前中に開催していました。しかし日本の経済状況が右肩下がりになるにつれ、平日の残業は勿論、休日の土曜も出勤しなければ生活費に困る状態のなり、半年でお父さんお母さんの教室を一緒に運営していくこととなりました。

 また、支援する側も教師経験者ばかりでしたが、専門的に日本語指導をしていた訳ではないので、当に暗中模索の状態でした。様々なテキストを調べたり、他の日本語教室の見学に行ったりで、熱心に通ってこられる方には申し訳なかったのではないかと思っています。それでも教師であったという経験は1回の授業でこの人には何が足りないのか、どのレベルなのかを的確に把握できたのは継続できた要因の一つであったと考えています。また一定のテキストを使用したことも指導を継続する上で重要でした。

 参加者は難民で来日した人、就労目的で来日した人、残留孤児の家族などでしたが、子どもたちが小学生の保護者が多く、年齢的にも中高年といったところでした。そのためか、日本語の習得だけでなく生活上の問題も合わせて考えていく必要がありました。学校から出されるプリントが分からない、定住許可の文章が書けない等様々で、定住や国籍の取得など法律の知識の必要性を感じ、学習会を開き勉強もしました。突然の要望に戸惑うこともありましたが、参加者との関係がより深まったような気がしますし、参加者同士協力しながらの学習でお互いの親密度も増したようでした。そして教室を中心とした一つのコミュニティーが構築できたのではと思っています。

 参加状況は誰も来ないのかと思うと、突然多勢来たり、次はここまで進めようと思っても来なくなったりでどこまで習得できたのか不安なのが正直なところですが、一人でも熱心に来られた中国の方からバイクの免許が取れたと報告があったり、少し難しいのではと思ったが初級の教室で頑張っていたカンボジアの方は確実に上達しているので教室の目的はある程度達成できたのではないかと思っています。

 現在は参加者の年齢や経済状況など様変わりしていますが、支援する側も若くなり参加者の必要に充分対応できるのではないかと思っています。先日の教室で6月に「バーベキューをします」と先生から提案があったが、これなど我々には考えられない発想だと感心しました。何より一緒に楽しもうという思いが新鮮でした。是非頑張って継続してほしいと思います。