12月の授業研究会の報告〜理科の授業〜

■日時:12月20日(月)19:15ー21:00
■場所:富士見文化会館
■授業者:池上先生
■分析者:鬼沢 明子
■教科: 理科          
■参加者:13人
■内容:小学校、中学校の教諭が参加していたことから、まず理解における小学校と中学校のつながりについての話し合いをした。中学校までにおせてておきたい知識とは何なのか、何のために実験をするのか、ということに対しては、小学校では、論理的な思考のすじ道(仮説→実験→仮説を正しいものにする→結果)が必要なのではないかという結論に達した。次に、それぞれの学校での理科の授業をする上での現状を報告しあった。小学校では十分な器具がそろっていないため実験ができないという事態もあるようだ。また中学年では実際の生活に密接した内容が多いため、子どもたちも理解しやすいということだ。中学校では、実験は多く行われるが、実験に対する考え方には教師間での差があるようだ。授業者が中学校教諭ということで、小学校教諭への要望としては、小学校の段階で簡単な実験を多くやることで、理科への興味、実験への期待感を持たせて中学校へ送ってほしいということがあった。さいごに、中学校に行くと、継続的な観察実験(植物を育てる等)はどうなるかという質問があった。中学校では長期的な観察はできていないのが現状である。中学校では、毎日行うことが最終的な結果につながるとい、理科の学習の特徴が薄れてしまうこともあるのが現状だそうだ。
 小学校では、もっと器具を充実させ、実験を多く行うことが必要だと感じた。そのためには教師ももっと身の回りの現象に興味をもち、子どもにとって分かりやすく簡単な実験を行わなければいけないのだと分かった。中学校での理科の内容を少しでも把握することは小学校での学習を中学校へつなげる上で重要だと感じた。
■参観者感想
 ○なかなか授業を持つことのない理科なので、小・中のつながりも考えていろいろな視点で「理科」を考えられて面白かった。小学生相手の限られた時間の中での授業だったが、池上先生の中学での取り組みが面白そうだったので、普段の授業もぜひ見せていただきたいと思った。(小学校 教諭)
 ○実験はやはり楽しいし、感動するものなので、たくさんできて良かったと思いました。しかし、中学校の先生が一人で授業をするというのは、小学生に対して、言葉など内容も難しいと思います。小学生も外国人の子どもたちなので新鮮なものや新しいものを見せたりする授業もいいなと思いますが、僕は小5・6教室では「言語」をきちんと理解することが一番大事なことだと思います。(すたんどばいみー)
<実際の授業>
■日時:1回目 12月 4日(土)18:30-20:00
     2回目 12月 18(土)18:30ー20:00
■場所:渋谷中学校開放 家庭科室
■授業者:池上先生 
■教科: 理科
■参加者:1回目 子ども 7人、 
       2回目 子ども 7人、 
■分析者:鬼沢 明子
■内容: 1回目…1.「物体」と「物質」の説明
             机は「物体」 木は「物質」
           2.「物質」の区別の方法を考える(プリント)
           3.実際に身の回りのものを区別する
             <実験1>
            金属の性質を調べよう (銅・アルミニウム・鉄)
             ?豆電球がつくか
             ?磁石がつくか
             ?紙やすりでみがく           
            ・金属の性質の説明  
             金属の電気の通りやすさをパソコンで説明する       
             <実験2>
            身近な粉末の物質を区別する (白砂糖・グラニュー糖・食塩・片栗粉・重曹・ロウ)
             ?色・粒の様子、におい、手触り
             ?水に入れる
             ?ヨウ素液を加える
             ?熱する(アルコールランプ)
           4.プリントにまとめる     
                    
      2回目…1.前回の復習(思い出し)
           2.前回の実験2の続き
             <実験2>
             ?アルコールランプで熱し、石灰水が入った集気ビンに入れる
           3.粉末が何の物質なのか予想し、発表する
           4.粉末の説明
             石灰水が濁る→二酸化炭素があるから
           5.「有機物」「無機物」の説明
           6.<実験3>
            目に見えない気体を区別する
             ?二酸化マンガンにオキシドールを加える
               火をつけた線香を近づける・石灰水を入れてふる
             ?石灰石にうすい塩酸を加える
           7.アンモニアと、フェノールフタレイン溶液を入れた水の噴水実験     
           8.水素のしゃぼん玉実験
           9.授業の感想
■参加者感想
 ○ありがとうございました。初めての授業の参観をしました。外国籍の子どもたちばかりでどんな感じだろうと思っていたのですが、しっかりと話を聞いて、活動していたのでとても感心しました。かわいい子どもたちでほほえましかったです。よく分かりやすく、簡潔な指示や内容が改めて大切だなと思いました。 (小学校 教諭)
 ○案外言葉が難しいと思った。「物質」「物体」「材料」「素材」はそれぞれちがう意味なのでしょうが、「だいたい同じ」ぐらいの理解でいいのか?実験の前に必要な知識というのがあると思った。理論的に手順を理解する、実験しながら記録、ルーペや試験管の使い方、見たものを表現する言葉 等  (Ed.ベンチャー 事務局)
 ○ちゃんと話を聞けているのかな?と思う場面もありましたが、しっかりと記録をとりながら、実験を楽しんでいるようでした。全体として、実験の方法、目的などが確認できると結果から分かることなど考える場面がより深まるのではと思いました。 (中学校 教諭)
 ○授業の内容はかなり難しかったと思います。理由は、判断するための基礎知識がないと判断できず、「デンプンはヨウ素液で青紫色になる」ということ以外は6年生にならないと学習しないからです。しかし、子どもにとって実験は興味深いことだと見て思いました。 (小学校 教諭)