合同理論学習会(第1回)の報告

「労働教育」合同理論学習会(第1回)の報告

 2015年10月20日、鍛冶邦彦氏(県中央地域連合事務局長)から「学校教育につなげる労働をめぐるルール」と題する講演をいただきました。
 Ed.ベンチャーで支援する外国人青年の「ブラックな」働き方をきっかけとして、「ワーキングプア」「ブラック企業」「老後破産」等の社会問題と、学校や教師はどのように向き合うことができるのかを検討したいという目的から組まれた2回連続講座の学習会は、今回が第1回目です。
 講演内容は、鍛冶氏が数年前まで学校教員であったいう背景もあり、私たちの予想をはるかにこえる内容のものでした。「キャリア教育」から始まる「働く」ことに関わる教育が、その一部において「労働教育」に向かおうとしている社会的背景。学校教育の中で扱われる「働く」に隣接する内容(たとえば、勤労、労働、奉仕)の概説。労働と社会保障(セーフティネット)の関係、労働基準法の射程。最後には、社会問題化するような「労働」状態が生み出される社会構造の問題にも触れていただきました。
 最後の社会構造の問題は、2016年2月の教育講演会でお招きする平川克美氏の著作『グローバリズムという病』で取り上げられている内容とも関連するものであり、階層化、格差化する社会の中で、「学校がどうあるべきか」「学校教育の内容は、どのように選択されるべきか」を考える1つの柱として「労働」をめぐる問題群を捉える重要性を再確認できました。また、鍛冶氏からは、「子どもたちに何を教えるのかも重要だが、同世代で他の仕事をしている人たちとも連帯していくことはもっと重要」というメッセージも付け加えられました。
 今回の学習会は、県中央地域連合との合同企画のため、教員以外の方の参加もあり、懇親会では、異業種の方からさらに突っ込んだお話をお聞きすることができました(参加者22名、懇親会参加者11名)。次回は11月24日(火)で、嶋崎弁護士による「ブラック企業の実態と対処法」の講演です。(SM)