6月報告 生活保護を知る

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 今回は12月に講演に来ていただく稲葉剛氏が著した『生活保護から考える』という文献を参加者で講読した。今回の学習会は文献購読を通して生活保護について知ること、知ったことで学校現場等で自分たちにできることを考えることの2点である。
 文献購読を通して、生活保護について知る前と後で利用することへの捉え方が変わったという参加者がいた。第3章の「家族の限界」では子の親に対する扶養義務について述べられており、生活保護を受給している家庭の子どもは高等教育を受ける機会が限定され、高額所得者として成功しにくいという。3章ではある芸能人の親が不正受給していたというケースが紹介されており、報道された当初は子どもが親を扶養すべきと考えていたが、それでは貧困の連鎖に繋がってしまうと考えが変わったようだ。
他方で、生活保護について誤った理解をしていた参加者もいた。文献には生活保護を申請するときは書類はいらないと書かれていたが、申請に立ち会ったときに書類が必要だと言われ引き返したことがあるそうだ。生活保護について正しく理解をしていないと利用すべき人が利用できずに生活に困窮してしまうということを強く感じた事例だった。
 学校現場で教師として自分ができることを考えたとき、生活保護について知識として知ることや利用している家庭にどのようなかかわりができるかを参加者で考えた。中学校の先生は家庭状況を考慮して進路選択のときに併願校などに配慮しているようだった。知識として知ることを考えたとき小学校では課題が見えた。小学校の先生は高学年ではかろうじて理解することはできようとも、低・中学年には生活保護や生活の困窮を理解することは難しいだろうという考えが多かった。しかし、自分が困った時に誰に頼ることができるかなど段階を下げて子どもたちに考えさせることはできるのではないかという意見も出た。子どもの発達段階に応じて教師がかかわることができるという結論に至った。

参加者の感想:一部抜粋

・生活保護についてより深く知りたくなりました。→この言葉に今日の学習会のすべてが表現されています。まずは、知ることが一歩だなと感じました。(小学校教員)

・自分自身が生活保護について知らなさ過ぎたことを反省しました。子どもたちに何ができるかの前に、しっかりと制度を理解しようと思います。(中学校教員)

・ほかの先生方の要約のおかげでより分かりやすく内容を理解することができました。生活保護についての知識は私自身もあまりなく、なぜ生活保護を受ける状況になるのか、どのくらいの支援がなされるのかよくわかっていません。自分の中学校にも生活保護を受給する家庭があるので、その子どもたちに対する支援の仕方を考えていく必要があると改めて感じました。(中学校教員)

・文献を読んで、この問題の渦中にいることもたちに直接的にかかわりを持つことできるのは教員であるという認識を改めてしました。世代間連鎖を産まないためにも自分たちができることを模索していきたいと思います。(小学校教員)