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授業研究会報告 内容:新型コロナウイルス対策下での教育実践に関する意見交換及び討論 日時:2020年6月18日(木)19:00~(Zoom利用によるオンライン開催) 参加者:合計6名(東京都大田区教員1名、大和市内教員4名、内藤(担当者)) 【意見交換内容】 1.長い空白期間後、初めて再開したときにどんな話をしたか? ・クラスの子どもたち全員はいないが、仲間はいつも一緒という気持ちを共有する工夫をした。 (全員の名前ボードを用意し、会えない児童にメッセージを書き込むなど) ・家にいる間はどんなことをしていたか?何を感じたか?つらかったことは? 2.分散登校中の指導で感じたことは? ・去年1年間学校に来れなくなっていた児童が、登校できるようになり、 指名すると意見も言えるようになって嬉しかった。 ・一人一人の児童に声掛けができ、様子がよく分かった。 ・自分自身もゆったりとした気持で子どもたちに接することができた。このくらいの人数で教えたい。 3.全員での授業再開に向けて不安なことは? ・4月に転入した児童がうまくみんなになじめるか不安。 ・せっかく学校に登校できるようになった子が登校できるだろうか、心配。 【討論】 学校は子どもたちにとって友達に会える場であることが楽しい。 教師をはじめ大人たちは、「学校は学習の場」という考えが支配的だが子どもたちは、空白期間で自分たちにとっての学校の意味を実感した。子どもに向かい合う時このことを忘れずに取り組むべき。 そのことが、「ただ知識を伝達するものとしてではなく、媒介者として存在することであろう。」 【感想】 自由に意見交換ができ好評だった。参加者からこれからも参加したいという声が聞こえ、主催者として嬉しかった。
2020年06月30日 授業研究会 【報告】6/18授業研究会
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【2019年度授業研究会 総括】 【事業総括】 2019年度は、子どもたちが授業の中で知識を得るだけでなく、自分の考えをもち「思考する」とはどのようなことかを追求するために研究を行った。そして、「思考」というものが他者との関わりの中で深められるのではないかと考え上記目標を設定した。そこで前半は、授業の中で子どもたち同士の関わり合いを取り入れながら「思考させる」ことを意識した授業実践を行っている小学校・中学校教諭から手法や考え方について学んだ。 中学校教諭による国語の実践からは、教材の工夫について学んだ。苦手意識を持っている子でも興味を持てる教材を発掘することで学習意欲を引き出すことができることがわかった。 小学校教諭からは、外国にルーツがある児童と他の児童とのつながりを意識した学級経営について学んだ。教師による言葉がけなどの仕掛けが子ども同士の関係作りを行う一助となることが分かった。 学級会の実践からは、子どもが主体的に活動できる手立てについて学んだ。子どもが主体となって考えることで、自身で学級を運営する意識を持たせることができることが分かった。 中学校教師による数学の実践からは、課題をもとに子どもたち同士で意見交換をしながら解決していく方法を学んだ。子どもたちの課題解決能力を信じ、子ども同士が教え合うことで、学習を通して互いを知る機会が生まれることが分かった。 後半は、学んだことを生かし「道徳」授業を行った。道徳は昨年度から教科化され、評価も必要とされている。授業検討を通して、題材の選び方に難しさを感じた。教科書の中には児童の実体験や経験からは意見を言いにくいものもある。今回そういった題材を選んだことによって意見を引き出すために様々な知識を伝える時間が必要になり、結果として子どもたちによって互いの意見を深められるような場面を十分に作り出すことができなかったように感じた。 子どもたちが社会の中にある課題に対して思考したり、自分事と捉えたりする力をつけるために、関わり合いを取り入れた授業を目指し、前半と後半の研究に取り組んだ。しかし、学習会の回を追うごとに、私たち自身関わり合いの方法や環境づくりの方法論に意識が偏ってしまったことや、子どもたちにつけたい力について十分な議論ができなかったことが原因で、結果として授業実践では表面的な意見交換の場を設定しただけの授業になってしまった。 2019年度は、目標に沿った研究に至ることができなかったが、子どもたちにどのような力をつけることが大切なのか、そのためにはどのような環境設定、発問、教材が考えられるのか、十分に検討していく必要があると考える。 【活動代表】下新原なつみ・三澤律子 【日時・内容・場所】 第1回:5月13日(月)19:00~21:00 内容:「クラスづくりと国語」実践報告(理論学習会との共同開催) 報告者:山崎 正氏(小学校教諭)/ 飯田 里沙氏(中学校教諭) 場所:大和市シリウス603中会議室 第2回:6月18日(火)19:00~21:00 内容:「学級会」実践報告/授業案検討 講師:内藤順子氏(元小学校教諭) 場所:大和市シリウス603中会議室 第3回:7月 1日(月)19:00~21:00 内容:「題材から授業をつくる」実践報告/授業案検討(理論学習会との共同開催) 報告者:馬場有希氏(小学校教諭) 場所:大和市シリウス608和室 第4回:8月27日(火)19:00~21:00 内容:「『学びあい』の考え方をもとにした授業」実践報告 講師:加藤綾氏(中学校教諭) 場所:大和市シリウス605小会議室 第5回:9月17日(火)19:00~21:00 内容:小学校「道徳」授業案検討 場所:大和市シリウス605小会議室 第6回:10月10日(木) 内容:授業実践 授業者:三澤律子(小学校教諭) 場所:大和市立福田小学校 第7回:11月19日(火)19:00~21:00 内容:授業実践報告 場所:大和市シリウス606小会議室 第8回:12月10日(火)19:00~21:00 内容:意見交換会「かかわり合いのなかで思考が見える授業とは」 場所:大和市シリウス605小会議室 (のべ参加者数27名)
2020年02月25日 授業研究会 2019年度授業研究会総括
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内容:「学び合い」の考え方をもとにした授業 講師:加藤綾氏(中学校教諭) 日時:2019年8月27日(火)19:00~21:00 場所:大和市文化創造拠点 シリウス605 参加者:9名 加藤先生は数学の授業に生徒同士の「学び合い」を取り入れて実践されています。今回の学習会では、一斉授業と「学び合い」の授業の違いや、「学び合い」の考え方を教えていただきました。生徒同士が教え、教わりあう中で関係性が生まれ、新たな学びが生まれることで一人ひとりが授業の中で大切にされている様子が伝わってきました。加藤先生は、生徒の力を信じ、一人も見捨てないという気持ちを大切に授業を作られています。教育の基本を改めて考えることができた学習会になりました。今回の参加者には、教師に成りたての方から、中堅、ベテランと様々な立場の方がいらっしゃいました。それぞれの経験からの意見交換ができ、実りある学習会になったと思います。 <参加者感想> ありがとうございました。まず、子どもたちを信じるということをがんばってみたいと思います。すごく考え方、伝え方が素敵で自分もやってみたいと思います。たくさん準備して教材研究してやってみます。(小学校教諭) 誰一人見捨てない、授業の中で学級経営するという言葉が心の中に残りました。私も学び合いの授業を実践してみようと思います。大変参考になりました。お忙しい中、ありがとうございました。(小学校教諭) 同じような思いで実践されている加藤先生の話を聞けてとてもうれしかったです。「そうだよね。」と、うなづける場が多々ありました。「つぶやき」でつなぐ、道具をそろえる が参考になりました。取り入れてみようと思います。ありがとうございました。幸せな子が増えていくとうれしいです。(小学校教諭) 「学び合い」というと、お互いに教え合うことが難しく、一方向「教える」「教えられる」関係が固定化されないかと心配になります。子どもたちは塾に行ける行けないなど資源の差が学力の差になっている現状があり、その差が固定化されたり、拡大することなく、その差を埋める、逆転できることを目指すのが教育の力として必要と思います。(中学校教諭) 「学び合い」の実践を聞くことができて大変勉強になりました。子どもたちの関わり合いを持たせる授業はとても魅力的で参考にさせていただくことがたくさんありました。阿藤先生がお話されていたように、「どっちの説明の方が伝わりやすいか」を議論する場面は想像していてもうれしい瞬間ですね。相手のことを考えられる、周りの人のために何ができるか考えることのできる子どもたちが増えていく、とても素敵な授業実践の報告でした。また、「子どもたちを信じる」という言葉がありましたが、その可能性を引き出すために、その影で先生のきめ細やかな教材研究があることも伝わってきました。お忙しい中、貴重なお話をしてくださり、ありがとうございました。(中学校教諭)
2019年09月16日 授業研究会 8月27日 学習会報告
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内容:学級会について 講師:内藤順子氏(元小学校教諭) 日時:6月18日(火)19:00~21::00 場所:大和市文化創造拠点シリウス603 参加者:9名 学級会の意義や、進め方について、実践を踏まえながら具体的に話していただきました。また、学級経営において教師が大切にしなければいけない視点についてのお話もありました。一人ひとりの児童の人権を尊重し、認め合うことでお互いを大切にできる子どもたちになっていきます。そのような雰囲気が根底にある上で、子どもたちの意見や疑問を大切にしていくことがとても重要であると教えていただきました。 【参加者感想】 ・私自身が「学級会」って何だろうと思っていたので、今回こういう企画に参加させて頂き、本当にためになりました。話し合いが学級経営の基本であり、児童自身が自分たちでやってみたいことや疑問に思ったことに時間を費やすことが大切であることが分かりました。ただ、私自身、論理的な思考を身につけられていないので、私自身がしっかりと話し合いの重要性を理解するとともに、学級会の基礎知識(進行の仕方)を学びたいと思いました。貴重なお話ありがとうございました。(大学生) ・学級会はやってみたいけど、なかなかやり方がわからなかったり、どういうふうに入っていけばいいか分からず、やれなかったのですが、今回の話を聞いて見通しをもつことができ、やってみようと思いました。学級会をやるにあたって、もっと子どもと関わると同時に子ども同士のかかわりを増やしていくことが大切だと思いました。(小学校教諭) ・今日のお話にあった、学級経営の基本(教師の基本)である、一人ひとりを大切にするという根底が崩れているように思います。教育の根本、目指すもの、守るものについて、どうやってこれからの先生と話していくのか課題です。(小学校教諭) ・学級会の様々な実践を聞きましたが、その土台にはクラスの子一人ひとりを大切にする日頃の学級経営の積み重ねがあるのだと感じました。職員会議を見ても、先生たち自身が話し合いの経験が足りないと思いました。(中学校教諭)
2019年06月30日 授業研究会 6/18報告「学級会」についての学習会
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内容:研究のまとめ・意見交換会 日時:2018年12月13日(木)19:00~21:00 場所:大和市文化創造拠点シリウス605 参加費:500円(学生無料) 事前予約は必要ありません 3年間、授業研究会で研究してきた「労働教育」のまとめと意見交換を行います。研究の経緯、授業実践や研究の中から見えた課題や成果を発表します。小中学校での「労働教育」は可能なのかという疑問から始まった本研究ですが、話合いを重ねたり、実際に子どもたちの前で授業をしたりする中で見えてきたことがあります。ぜひ、お聞きいただきご意見いただければと思います。
2018年12月13日 授業研究会 12/13 研究まとめ・意見交換会 お知らせ
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2018年09月29日 授業研究会 9/13 模擬授業 報告
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内容:授業実践に向けての模擬授業 日時:2018年9月13日(木)19:00~21:00 ※いつもと時間が違います 場所:大和市文化創造拠点シリウス605 参加費:500円(学生無料) 事前予約は必要ありません 8月30日の、10月・11月に予定している授業実践に向けた小学校・中学校の授業案検討会を受けて、今回は模擬授業を行います。小学校は道徳の授業の中で、インタビュー映像や求人広告の間違い探しから「働くことの意義」や「職業選択の様々な視点」について学習する授業を考えております。また、中学校では、「労働」の問題について考え、労基法がなせあるのかということを振り返りながら、最終的には「よりよく生きる」とは何か考える授業を検討しております。小・中それぞれの模擬授業を見ていただき、ご意見をいただくことで、授業を形にしていきたいと考えております。ぜひ、ご参加ください。 8/30 報告 日時:2018年8月30日(木)19:30~21:00 場所:大和市文化創造拠点シリウス605 参加人数:4名 小・中学校の授業案検討会を行いました。 中学校の生徒の実態、既習事項を踏まえつつ授業案を検討しました。労働の問題から、労基法は何を守るためにあるのか考えさせ、そこから「よりよく生きるとは」「豊かな生活とは何か」というところまで考えることはできないか話し合いました。9/13 の模擬授業を経て、授業で押さえること、流れや発問等検討していきます。 小学校の授業案では、インタビュー映像の内容について話し合いました。なぜその仕事を選んだのか、なぜ働き続けるのか、という質問をし、職業選択の動機が消極的でも継続する中でやりがいを見つける人もいることに気づかせるなど、工夫したいと考えています。労働教育で現実に触れることが、必ずしも後ろ向きな内容にならないといういうことを授業で示さればと考えています。
2018年09月06日 授業研究会 8/30 授業検討会報告
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日時:2018年5月10日19:30~21:00 参加者:3名 今回の学習会は、労働教育を学習するにあたって持っておきたい視点を探ることをねらいとして、3冊の本を担当者で選択し、文献講読会を行った。 1冊目の『資本主義の極意 明治維新から世界恐慌へ』著:佐藤優(NHK出版新書)からは、これまでの歴史を振り返ったとき、現代に広がる日本社会の資本主義に至るその背景を学んだ。2冊目の『非正規クライシス』著:北川慧一・古賀大己・澤路毅彦(朝日新聞出版)からは「ミドル世代」と呼ばれる30代から40代が非正規にはまっていく現代社会の現状と課題を見ることができた。そして、3冊目の『教育の職業的意義 ~若者、学校、社会をつなぐ~』著:本田由紀(ちくま書房)では、教育の中での「仕事の世界への準備」への必要性をみることができた。著書には「抵抗」と「適応」という言葉でその準備の内容が書かれていた。例えば、「働く者すべてが身につけておくべき、労働に関する基本的知識」=「抵抗」、「個々の職業分野に即した知識やスキル」=「適応」といったものだ。現代の学校教育では「キャリア教育」が行われているが、この著書では、その「キャリア教育」が若者に及ぼす影響として「決められないことへの不安」や「華やかで流行りだが実現しにくい『夢』」であり、「自己実現アノミー」の状態にあると述べられている。 1冊目、2冊目にある労働に対する現代社会のしくみや課題からみても、「キャリア教育」に代わる「教育の職業的意義」が今の日本には必要であるということが分かり、3冊それぞれの内容を発表した後は参加者で「教育の職業的意義」の内容について話し合いをした。 今回の学習会では、学校を卒業した後、現代の資本主義社会に入っていく子どもたちに、労働教育の必要性を改めてみることができた。次回からは「抵抗」としての労働教育をより具体的に授業として考えていきたい。
2018年07月07日 授業研究会 5/10 文献講読会 報告
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内容 : 小・中学校での労働教育授業案検討会 日時 : 2018年4月19日(木)19:30~21:00 場所 : 大和市文化創造拠点シリウス605 参加人数: 3名 今回の授業研究会では、指導案検討会を行いました。昨年度に考えた「つけたい力」を身につける授業として、どんな授業が学校の中で効果を期待できるかを考えつつ、どのような授業をできるかを考えました。担当者から提案した5つの授業案を提示しました。参加者の意見からは、授業案の一つとして提示した求人広告を扱った授業案では、「求人広告と労働契約は別のもの」であることなどの基本的な知識の習得や、労働者の問題とともに、「消費する側の意識」を見直すことの必要性なども話されました。労働教育として授業を行うには、授業する側の知識もかなり必要であり、5月の文献講読で労働教育に関する課題を整理するとともに、今後は労働教育に必要な知識をつけることのできる授業案検討会を進めていかなければならないと考えさせられました。
2018年04月05日 授業研究会 4/19 授業案検討会 報告
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日時: 2018年1月18日(木曜日) 19:00~21:00 会場: シリウス605号室 内容: 2017年度研究成果報告 労働教育授業案検討会(小学校 社会科授業案) 参加人数:4名 2017年度の研究成果の報告を行いました。まず、昨年からの研究の流れを説明しました。労働教育の授業を作る上で、貧困の実態を知ることが重要だと考えたこと、また、社会科を中心にしたという点です。授業を考える上で、指導要領を参考にしながら、年間の学習内容の中にどのような授業が考えられるか検討しました。また、教科書から離れ、子どもたちの実態、社会状況から考えられる授業案も検討しました。それを受けて、いくつかの授業案を担当者で作成しました。今回、小学校の教員の方に参加していただいたので、様々な経験をもとに授業案に対して意見をいただきました。また、担当者の案以外の授業案を提案していただきました。 新たな授業案の可能性として、最新の仕事やこれからの労働事情から考えられる課題から学校教育でできることは何かという話が出ました。また、社会科の教科書で取り扱われている業種には限りがあるため、第一次産業、第二次産業、第三次産業を意識することで、子どもたちが将来仕事を選ぶときの選択肢を広げることにつながる授業はできないかという話が出ました。 今回のご意見を、2018年度の授業づくりの参考にさせていただきたいと思います。
2018年03月07日 授業研究会 1/18 2017年度研究成果報告